パッシブな住まいにパッシブエアコン

実例紹介

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未来の標準仕様という視点で生まれた集合住宅

この集合住宅は地上3層のメゾネットタイプ。全館冷暖房のPassivAirconだからこそ、階ごとを壁や建具で 区切らず、開放的な間取りを実現できました。2F DKのブルーの壁はチョークで描ける黒板クロスを採用。

玄関と1Fの部屋の床も段差無く、家族の住まいとしてだけでなくSOHOにも利用しやすく、上下階も、 ほどよく人の気配が感じられるようにつくられています。壁の色は、世帯ごとに異なり個性豊か。

3Fの部屋にも間仕切りを設けず基本的に1フロア1ルーム。賃貸住宅でありながらも、家族構成や 住まい方に合わせて、入居する際に、間仕切り壁を施工することも可能という懐の広さがあります。

2FのDKから階段を4段上がった右側にはお風呂・トイレなどがある。さらに階段を上がって3Fへ。 暗くなりがちな階段室も明るく、開放的なことは温熱的なメリットだけにとどまりません。

5世帯が長屋形式でつながる。建物の南面には駐車スペースがあり緑化ブロックを採用したり、 樹木が植えられたりと、街の中にありながらも自然を感じられる一角。

出入口は、隣家とのつながりが生まれるように、あえて間仕切りを設けていません。 同じ目的で、外にでないと郵便物が取り出せないポストをあえて採用しています。

壁掛けエアコンであれば、1世帯ごと3フロア分3台の室外機が設置されるところ、1世帯1台のPassiv Airconで全館冷暖房しているため、室外機も1世帯の空間に1台のみですっきりとおさまっています。

kiwi apartmentは、名古屋市千種区に建つメゾネットタイプの集合住宅。
地上3層がゆるやかにつながるスキップフロア形式で、1FはSOHOとしても活用できる開放的な間取り。5世帯が長屋形式で繋がっています。
オーナーのTさんは、隣家や外部の遮音、住まい方の多様化など、いまの集合住宅の課題に応えるさまざま工夫を、旧知の建築家である道家洋建築設計事務所の道家さんと何度も検討を重ねて「木造で、音を気にせず、家族や隣家とほどよい繋がりを感じられる集合住宅」の形にしたといいます。
“温熱環境”もその一つ。「入居者に快適な住まいを提供したい」というTさんの想いから、この空間に欠かせない設備として暖気や冷気を効率よくまわすパッシブエアコンが採用されました。
断熱・気密性も高めて、省エネルギーで、1Fから3Fまで、夏も冬も全館快適に過ごせるよう工夫されています。
また、Tさんご自身が造園家ということもあり、街の中にありながらも、自然を感じてもらえる敷地計画をしていることも特徴です。建物前の南面に設けられた駐車場には緑化ブロックを採用し、敷地には様々な樹木も植えられています。ここに暮らす住人だけでなく、道ゆく人も季節ごとに移り変わる自然の表情を眺められ、均一になりがちな街の風景に奥行きが生まれることでしょう。
kiwi apartment 公式サイト:http://kawadaya.net

設計者の声

既に集合住宅が多く建っているエリアでもあり、計画にあたってはオーナーとプランの検討を時間をかけて行いました。ライフスタイルの多様化、環境負荷の低減、進む省エネ化、暖かさや寒さといった快適性など、来る将来に主軸を置いて提案し、5世帯が長屋形式でつながる形で実現したのがこの集合住宅です。各戸3層メゾネットで3層がほぼワンルームのように繋がりつつも快適な空間に仕上げられたのは、1台で全館温度ムラのない温熱環境をつくるPassivAirconを採用した結果です。

施工概要

名  称:kiwi apartment
所 在 地:愛知県名古屋市千種区
設  計:道家洋建築設計事務所
延床面積:81.85〜85.07㎡/1世帯
建物概要:木造在来工法3階建/5世帯
竣  工:2019年3月
PassivAircon YA-4038SV-A/計5台