よくある質問と回答
しくみ・機能・効果に関するQ&A
Q.パッシブエアコンはどの地域でもつかえますか
省エネ地域区分が1、2、8地域(主に北海道や沖縄)である建築地では使用いただけません。
また、省エネ地域区分3~7地域内であっても、最低気温が-10℃以下になる建設地では使用いただけません。
Q.パッシブエアコンの特徴を教えてください。
パッシブエアコンは全館空調専用機を用い、40坪前後の住宅であれば小さな能力のエアコン1台で住宅全館を冷暖房するシステムです。
小屋裏に本体を設置し、ダクトで冷暖房空気を各部屋に運びます。
冬は床下及び天井から暖房、夏は天井から冷房して、1日、年間を通して室温を快適に保ちます。
建物と空調設備が一体で計画されることで、屋内も屋外もすっきりとしています。
※エアコンの機種選定、必要設置台数は、住宅の建設地、規模、外皮性能値などにより異なります。
「Q.パッシブエアコン1台でどのくらいの面積が対応できますか」や下記リンクも参考にしてください。
Q.パッシブエアコンには、どのような機種がありますか
4.0kWと5.6kWの2種類の機種をご用意しています。
Q.パッシブエアコン1台でどのくらいの面積が対応できますか
下表を目安にしてください。
実際には、建設地近隣の気象データと、外皮性能、計画している住宅の気積等を用いて、1棟ごと機種選定を行います。
Q.パッシブエアコンの計画はどのようにおこないますか
パッシブエアコンは個別の建築計画に対して、設備計画サポートサービスをご提供しています。設備計画サポートサービスでは、個々の建築計画と地域の気象データ、 外皮性能値等を与条件に、適切な機器を選定し最適な吹出口の配置や効率的なダクト経路をご提案します。
Q.パッシブエアコンの音はうるさくないですか
空調機の作動時の音は33~40dB 程度となります。
このレベルの音は、一般的に、ささやき声や図書館の中と同じくらいのレベルといわれています。
※室内機は小屋裏に設置しますが、計画サポートサービスでは寝室直上には設置しないなどの配慮をしています。
Q.パッシブエアコンに換気機能はありますか
パッシブエアコンには換気機能はありませんので、別途換気計画が必要となります。
換気方法は、第三種換気でも可能ですが、全熱交換換気【PAtH】(第一種換気)をおすすめしています。
PAtHはパッシブエアコン専用の換気システムです。
Q.パッシブエアコンに空気清浄機能はありますか
パッシブエアコンには空気清浄機能はありません。
パッシブエアコンにはアップグレードシステムとして空気清浄ユニット【OM e FILTER】をご用意しています。
Q.OM e FILTERとはどのようなものですか
OM e FILTERは、喫煙所や病院の手術室、クリーンルームでも使用されている電子式集塵フィルタを用いた空気清浄ユニットで、パッシブエアコンに取り付けるかたちで設置します。
一般的なろ過式フィルタと違い、高い集塵力と、長期間変わらない空気清浄性能が特徴です。
メンテナンスも簡単で、フィルタは自宅で洗浄可能です。また、OM e FILTERはパッシブエアコンの送風機能を利用しますので省エネルギーです。
※1か月連続運転で電気代約250円です。(26円/kWhで計算)
使い方に関するQ&A
Q.パッシブエアコンは連続運転が必須ですか
効果的な使い方として夏・冬は24時間連続運転を推奨しています。春や秋は停止させても大丈夫です。
※運転・停止を繰り返すと十分な効果や省エネ性を得ることができない場合があります。
※PAtHを24時間換気に利用している場合は、春・秋も送風運転してください。
Q.パッシブエアコンの操作はどのように行うのですか
パッシブエアコンの操作は、室内に設置するリモコンで行います。リモコンで設定した室温、運転モード(暖房・冷房・除湿)で運転します。
リモコンや室内機に内蔵しているセンサーで感知した温度や湿度を運転制御に利用しています。
Q.パッシブエアコンの夏・冬のおすすめの温度はありますか
暖房設定温度は20℃~22℃、冷房設定温度 26℃~28℃程度をおすすめしています。
省エネ運転には設定温度を極端に上げすぎない、下げすぎないことがポイントです。
他にも、冬の昼間は窓からの日射を取り入れる、冬の夜間は厚手のカーテンや障子を閉める、夏の昼間は窓からの日射が入らないように外側にすだれをかける、など、日射のコントロールが効果的です。
Q.タイマー運転はできますか
「入・切タイマー」で一般的なエアコンと同様にタイマー運転が可能ですが、パッシブエアコンは24時間連続運転を推奨しています。
Q.24時間連続運転で省エネ運転を行うことはできますか
不在や夜間就寝時にリモコンの「おでかけスイッチ」を押すことで、設定温度(「通常運転」)から少し控えめな温度に自動的に変更して「キープ運転」をします。外出時や短期旅行などの際に利用することで、帰宅時にも一定の温度を保つことができます。
また、「おすすめタイマー」は1日の中で「通常運転」と「キープ運転」の時間帯が設定できます。
※初期設定では冷房時 設定温度 +3℃、暖房時 設定温度-3℃で運転します。
Q.個別エアコンのように部屋ごとに温度設定はできますか
室内ユニットA・B・Cのうち、1口は床下に暖房空気を送り、他の2口は天井に暖冷房空気を送ります。
天井に送る2口からさらに分岐させて、各部屋に冷房空気、暖房空気を運びます。A・B・Cの3つの口から分岐した吹出口のまとまりを系統と呼び、系統ごとに温度調整が可能です。同一系統の部屋同士は別々の温度設定はできません。
また、増設リモコンを設けない場合は、天井に送る2つの系統は別々の制御はできません。
Q.夫婦間で、夏に「暑い・寒い」で意見が分かれる場合はどのようにしたらよいですか
人や性別により体感温度に差がありますので、暑い・寒いで意見が分かれる際は全館空調だけに頼らずに、着衣での調整や扇風機等を利用が効果的です。
Q.暖房時に室内が乾燥しませんか
暖房を行うと室内の相対湿度は下がります。PAtH(全熱交換換気)の導入は調湿に役立ちます。
※加湿器の利用も効果的ですが、過度な加湿は結露やカビの発生につながる可能性があります。
Q.春や秋はどのようにパッシブエアコンを使ったらよいですか
春や秋の空調が不要な期間は、運転を停止しても問題はありませんが、昼間に南の窓で暖められた空気を「送風モード」を使い循環させると部屋全体が均一な温度となります。
※PAtHを24時間換気に利用している場合は、春・秋も送風モード運転をしてください。
また、OMeFILTERを設置する場合、パッシブエアコンの運転により空気清浄機能が有効になります。
Q.冷房時にダクト内・吹出口に結露が発生してカビませんか
冷房がOFFになると自動的に一定時間送風運転となり、ダクト内・吹出口を乾燥させることで結露の発生を抑えます。
Q.床下に結露やカビは発生しませんか
結露防止の観点から、床下には冷房空気を送風しないしくみにしています。床下の換気を積極的にしたい場合は、送風モードをご利用いただくことで、床下にも空気を循環することが可能です。
Q.暖房時以外の床下の換気は大丈夫ですか
暖房時以外は、床下の空気と室内の空気が床吹出口通じて温度差によってゆっくりと換気されるため、換気等の機器は特に必要ではありません。
より換気を促進したい場合は全熱交換換気システムPAtHで床下にダクティングを行う方法があります。
Q.床吹出口からゴミが落ちませんか?また、どのように掃除したらよいですか
床吹出口には開口部分がありますので、小さなゴミ等が落ちる場合があります。
ゴミが落ちた場合は、床吹出口を手で外して掃除機のすきまホース等で清掃を行ってください。
Q.運転中に臭いが別の部屋に回りませんか
パッシブエアコンは、室内の空気を循環して冷暖房を行いますので、強い臭いは他の部屋に回る場合があります。
室内で強い臭いが発生した(例えば焼肉等)場合には、局所換気を行ってください。
Q.新型コロナウイルスやインフルエンザ等は蔓延しませんか
パッシブエアコンは、ウイルス等を除去する空気清浄・除菌機能はありません。
空気感染を懸念される場合は、十分に換気を行ってください。
Q.パッシブエアコンをスマホ操作できますか
オプション品の「エコナビゲートウェイ」を設置していただくと、お使いのスマホやPCのブラウザから インターネット経由での遠隔操作が可能です。
「エコナビゲートウェイ」の取り付けについては、施工工務店さんへお問合せください。
メンテナンス・保証に関するQ&A
Q.日常で必要なメンテナンスはありますか
室内ユニットについている筒形フィルタ(4つ)を、3ヵ月に一度取り外し水洗いします。(掃除機の吸引でも可)
筒形フィルタは1年に1回、交換することをおすすめします。また、天井等にある循環口の清掃を 2週間~4週間に1回行ってください。
※一定の稼働時間ごと(初期値200時間)に点検時期をリモコンに表示してお知らせします。
また屋外にあるドレントラップのお掃除も冷房シーズンの前後に行なってください。
Q.ダクト内の清掃は必要でしょうか
パッシブエアコンには室内ユニットに筒形フィルタが設置されており、ダクト内へのほこりの侵入を防止していますので、基本的に清掃は必要ありません。
Q.パッシブエアコンは停電時に使用できますか
停電時にはパッシブエアコンはご利用いただけません。
Q.パッシブエアコンの平均寿命はどれくらいですか
通常のエアコンと同様の寿命を想定しています。
Q.10~20年後にも、パッシブエアコンシステムの本体は修理できますか
製品の製造打ち切り後、10年間は、補修用の部品が確保されています。
Q.故障時はどこに連絡すればよいですか
パッシブエアコンにエラーランプの点灯や、異常を感じたときは、取扱説明書の「故障・異常の見分け方」と「処置方法」をご確認ください。
またリモコンにエラーコードが表示される場合は、エラーコード検索もご利用ください。
上記の対応で不具合が改善されなかった場合は、施工工務店にご相談ください。
Q.10年延長保証とはどのようなものですか
保証期間はメーカー保証期間を含めて10年間となります。 製品保証となる故障・不具合であれば無償、回数無制限で修理します。
故障の際にはコールセンターを設けておりますのでお問い合わせください。 コールセンター開設時間は年中無休、9時~18時です。
※免責があります。
コストに関するQ&A
Q.冬の電気代が高いのですが
外気温が低いと消費電力は大きくなります。冬はパッシブエアコン以外にエコキュート等の消費電力も大きくなっていることも要因の一つです。
また、電気代自体が年々上がっているため、前年と比較しても高くなった印象になるかもしれません。
消費電力を抑えるためには、以下の点をご確認ください。
1. 適切な設定温度にする
冬の推奨設定温度は20~22°Cです。
高くしすぎると、消費電力が大きくなるだけでなく、室外機の除霜運転を誘発し、暖房が効きにくくなります。
2. おすすめタイマー運転時の床下設定温度の初期設定を0°Cにする
おすすめタイマー運転を利用されている場合、23~7時の床下の設定温度が初期値では設定温度+3°Cとなります。
この初期値を設定温度+0°Cに変更することで、余分な消費電力を抑えることができます。
※ 取扱説明書P.34~35を参照し「初期設定(ユーザー設定)モード内容一覧」の項目18を変更
その他に関するQ&A
Q.他社の全館空調システムと比較した際のメリットは何ですか
パッシブエアコンは、全館空調専用に開発された機器を用い、小さな能力のエアコンで住宅全館を空調します。
これには、適切な機器選定、最適な吹出口の配置や効率的なダクト経路計画が重要となるため、設備計画のサポートサービスを設け、ご依頼の住宅1棟1棟に設備計画提案を行っています。
選定に際しては個々の建築計画と地域の気象データ、外皮性能値等を与条件にしています。
建築計画と設備計画の融合によって、小さな能力のエアコン1台で、快適な温熱環境を省エネで実現することが可能になります。
Q.最近、全館空調が増えてきたのはなぜですか
最近では、断熱・気密性能が高い住宅が増えてきましたが、空調方法は依然として部屋ごとにエアコンを設置して、在室の時だけONにする、いわゆる部分間欠暖冷房方式の住宅が多いのが現状です。
ある程度断熱性能を高めた住宅でも、部分間欠暖冷房方式では、暖房している部屋としていない部屋、就寝時の布団の中とトイレなどで温度差が生まれやすく、このことが、ヒートショックを生む原因となっています。
国が先導して住宅内の温熱環境と健康の関係性についての研究が進み、室内の温熱環境の良しあしが、健康にも影響を与えていることが明らかになってきており、住宅を建築する際に、温熱環境は重要な指標となりつつあります。
このような背景があり、全館空調を検討する方が増えてきていると考えています。